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ファド 無形文化遺産登録 1周年を迎えて#1 ノミネーションシートまとめ [ファド 無形文化遺産]

2011年12月に、ポルトガルの大衆音楽ファド(Fado)が、

ユネスコの無形文化遺産に登録されて1年がたちました。

以前に、この登録に関して、ポルトガルやファド関係の人々が

どう関わったかを知ろうと、ポルトガルがユネスコに対して提出した

「ノミネーション・シート」の翻訳を試みました。

誤訳もイロイロあったと思うのですが、今読み返しても長いので、

1周年記念#1として、これらをまとめることにしました。

過去の記事: 
http://necopol.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14
http://necopol.blog.so-net.ne.jp/2012-01-15
http://necopol.blog.so-net.ne.jp/2012-01-16-1
http://necopol.blog.so-net.ne.jp/2012-01-18-1
http://necopol.blog.so-net.ne.jp/2012-01-30

ノミネーションシート・ファイル(英語フランス語)のダウンロードは:
http://www.unesco.org/culture/ich/index.php?lg=en&pg=00011&RL=00563 から。

では、始まり。まとめですが、長いです。ご容赦の程。

人類の無形文化遺産保護のためのコンベンション 無形文化遺産の保護のための政府間委員会 201111月 第6回会議 バリ、インドネシア

2011年人類の無形文化遺産・代表リスト登録のためのノミネーション・ファイル no. 00563

A. 締約国ポルトガル

B. 名称

(i) ファド、ポルトガルの都市における大衆歌謡

(ii) 関係する団体の言語・文字による分野の名称: Fado ファド

(iii) 分野の別称:都市における大衆歌謡 都市における歌謡

C. 特徴

(i) 関係する団体、グループ、(該当があれば)個人についての概要

ファドはリスボンのさまざまな地域で広く実演され、多くの市民の集まりやその他草の根グループ、個人(歌手、演奏者など)、作家(作曲家、詩人)、楽器職人、出版社、レコード会社、そしてその他そのジャンルに熟達する一流の支持者たちによって表現されているジャンルである。ファドは、プロが各地を巡業したり、小さな「カザ・ド・ファド(ファドが演奏されるレストラン)」のネットワークの中で店の演奏家・歌手兼店員と演奏したり、それだけでなく、アマチュアもリスボンの古い地域のいたるところで多く行われる市民の集まりの場で演奏している。歌手と伴奏者によって演奏され、その伝承は日常的に伝統的な演奏スペースにおいて、口頭で先輩から若手に対して行われ、親族の中で何世代にも受け継がれていくことも多い。本ノミネーションとその中で提案されている保護対策は、これらの団体、従事する人々の代表者たちが、その構想と遂行において、大いに関わってきた結果によるものである。

(ii) 分野の地理的位置と範囲、関連する団体、グループ、個人の所在地

世界中の様々な場所で生まれた過去のいろんな要素で構成されてはいるが、ファドは生来リスボンで培われてきたものである。ラジオ放送開始後ほぼ同じ頃から、20世紀の3分の2の間にファドは国家的規模で広まった。世界的に広まったのはもっと最近のことで、1950年代から70年代にかけてである。 しかしながらファドは、今もリスボンの、アルカンタラ、アルファマ、バイロ・アルト、バイシャ、マドラゴーア、モウーラリーアなどの古い地域では、地元の日常生活の中に深く染み込んだ馴染みのものだ。ポルトガルの他の町へも伝わり、同じように外国のポルトガル人移住者のコミュニティにも広がった。ファドはそれゆえに、今日まで、リスボンの生きている象徴であり、まとめていえばポルトガルの文化的アイデンティティであるのだ。

※以下、ファドが無形文化遺産にふさわしいことを述べている文章をまとめました。(重複が多いので)

ファドは、曲と詩を融合した演奏ジャンルで、リスボンの様々な地域で広く実演されている。アフリカ系ブラジル人舞踏歌謡、自国の伝統的な歌謡や舞踏ジャンル、絶え間なく流れてくる移民によってもたらされた地方の伝統音楽、19世紀初頭における国際都市で流行した音楽など、多文化が混ざりあい生まれたものと言われている。

ファドは19世紀の第2四半期からリスボンで発展し、リスボン市民のほとんどが、それが町の文化遺産という重要な役まわりを持つことを認識してきた。また、その実演や表現を通じて、近代都市成立のプロセスや同時代に起こった真実を映し出している。ファドの歴史は、世代から世代へ伝承し、その歴史的社会的体制の中で継続的にファドを生み出しては再生しつづけた様々なコミュニティ、グループ、個人の貢献によって発展した。今日でも、ファドは今なおそのジャンルに属するすべての個人と団体(歌手、演奏者、作曲家、プロ・アマチュアを問わず)に、帰属意識、継続意識を与えてくれるアイデンティティの象徴なのである。1930年代から60年代初期まで、ファド界には多く一流パフォーマーがいた。アルフレッド・マルセネイロ、エルシリア・コスタ、ベルタ・カルドーソ、エルミニア・シルバ、マリア・テレーザ・デ・ノローニャ、ルシリア・ド・カルモ、カルロス・ラモス、フェルナンド・ファリーニャなどである。彼らはそのレパートリーや演奏を再定義した。

海外でキャリアを気付いたのは、1950年代初期からのアマリア・ロドリゲスであり、カルロス・ド・カルモ がそれに続いた。彼らは世界中の観衆をファドの虜にした。彼らやその他の先駆者たちは、若いパフォーマーたちの偉大なる手本であり続けている。この20年の間ファドは、毎年新たに生まれてくる多くの若く素晴らしい歌手、演奏家、作曲家、詩人とともに、つねに膨らんでいく活力の象徴を示し続けている。

ファドは基本的に口頭で伝承される。それが書き残され始めたとしても、記録された楽譜は、その演奏の特徴である無数にちりばめられた「即興」をすべて拾い集めることは不可能だろう。現在の作品の多くは、限られた数の伝統的なメロディに基づいており、20世紀の大半の期間を通してそれは変わることなく残されており、例えそれらの曲がたえず新たな形で演奏されてきたものであっても、いまなおこのジャンルの中心をなすものと考えられている。しかし、ファドの作品は新しい曲や詩によって常に増え続けている。盛んに続けられる他の伝統音楽と多文化間の交流は、ファドが演奏されるコミュニティの文化的アイデンティティを、常に再形成する役割を再認識させるものである。

ファドはそれが実演されるコミュニティの文化的アイデンティティを、無形で表現するものとして重要な役割を演じている。そしてその歴史を通して、また現在も、他の現存する伝統音楽と継続的に創造的な交流ができることを示してきた。このジャンルの発展は、その基本的なアイデンティティが周知・認知され続けるようにしつつ、国内・国外レベルを問わない他の音楽ジャンル、特にアフリカやブラジルで生まれ、現在リスボンの住民数の重要な部分を占めるポルトガル語圏コミュニティとの音楽との交流に対して、広く門をさらに開いていくであろう。そういった意味では、このジャンルはますます多民族化・多文化化している社会において、社会的にまとまり融合していくための何らかの戦略に、欠くことのできない一部分であるのだ。

代表リストにファドが登録されることにより、文化的多様性、異文化間の対話の重要性が、そしてまたそういった枠組みの中での無形文化遺産の中心的な地位が、より強く世界に認知されるであろう。

ポルトガル国内・国外のポピュラー音楽興行においてファドが今日成功を収めていることで、その役割が、国の文化的な生活や国際的表現の重要な部分であるという認識が強まり、その結果リスナーや従事者の数が相当な数に増えてきた。

ファドの「真贋」の基準を定めることは現実的ではなく望ましくもない。それを実演しているコミュニティが定義しているように、それは過去においてファドが常に内的変化を起こしてきたプロセスのどの局面にも相当しないであろうし、あらゆる生きた芸術ジャンルにおいての、新しい手法や創造性の自然な流れを妨げる、うわべだけの基準として見られるであろう。しかし、ファドの歴史的遺産の維持は多くの場合目下危機に瀕しており、間違いなく緊急課題であり、その実践が継続され強化されることを確実にする取り組みにおける重要要素である。単なる歴史的記録としてではなく、そのジャンルがもつ本来の性質を知らしめ、ポルトガル人に文化的アイデンティティを示すことができる、そしてこのジャンルへの新しい創造的なアプローチを刺激する、変ることのない源として。

※以下は、保護対策をまとめたものです。

保護対策

a.保護のための最新の取り組み

現在保護対策を実施している中心は、ファド博物館である。ファド博物館は1998年、リスボン市議会によって、歴史的地区であるアルファマ(ファドが実演されている中心的コミュニティのひとつ)の近辺に創立された。博物館は、遺産としてのファドとポルトガルギターの維持、保護、調査、実現と広報宣伝に全力を尽くしており、地元の街と深く交流している。博物館の所有財産、特徴的なコレクション-レコード、肖像画、楽器、その他の音楽工芸品等-はそのほとんどが、何百人もの歌手、作曲家、詩人、演奏家、楽器職人、コレクターや専門家の、もしくは彼らの家族や遺族、近隣の団体や草の根グループからの寄付によるものである。2009年には、リスボン市と文化省から取得した5000ものファドの歴史的音源がコレクションに加わった。博物館は、このジャンルのトップの人材を講師とする、スクールでのワークショップや非公式な教育も提供している。また資料センターやホールも完備しており、そこではコンサート、講演、ワークショップ、ディベート、レコードや書籍の発売などのプログラムが、一般の人々だけでなく街中の小学生や中学生にむけて熱心に行われている。

ファド歌手たちの、一般向けワークショップは、リスボンや地方各地のいろんな地域の集会でも行われている。毎年平均約35000人の訪問客がこれらのアクティビティに参加している。リスボン市議会は2004年から、「フェスタ・ド・ファド」を助成している。これは毎年恒例の、町全体に向けての大規模なパフォーミング・イベントである。また、海外での、特に大きなポルトガル語圏コミュニティのある町でのファドの演奏を定期的にサポートしている。2007年上映のカルロス・サウラ監督の映画「ファド(Fados)」を財政面でサポートした。この映画は世界各国で広く上映され、この伝統音楽をさらに多くの人に知らしめた。 2005年から、Instituto de Etnomusicologia文化人類学協会(Universidade Nova de Lisboa新リスボン大学)の協力を得て、主要なファド歌手、演奏家、楽器製作者へのインタビューを含んだ以下のようなプロジェクトが実施された;

あらゆる公私機関(図書館、公的なアーカイブ、音源アーカイブ、博物館、地域の団体、個人のコレクション等など)が所有しているファドの歴史にかかわるあらゆる種類の文献を集約し、ひとつのデータベースにまとめ上げること、-過去の歴史的な情報源を、徹底的に調査し、再版し、じっくり解釈すること

ファドの歴史的遺品を保護するための適切な方法に関する、情報のガイドラインを広めること。

調査プロジェクトの中で、すでに進んでいるのは、国際的会議である「Fado, Percursos e Perspectivas, (2008)」の組織化と、膨大な数のファドとファド演者が登録されている「Enciclopédia da Música em Portugal no Século XX (2010)」の出版と、誰でもアクセスできるンライン・データベース「Música Popular Portuguesa (2010)」の設置である。また、博物館はポルトガル国営放送のRTPと共同で、ファドの歴史をたどる6時間にもわたるドキュメンタリー「Trovas Antigas, Saudade Louca (2007-0)」を制作したり、ファドに関する様々な出版物 -ルイ・ヴィエイラ・ネリの「Para uma História do Fado 」(2004年。2007年イタリア語翻訳版。英語版・ポーランド語版は現在準備中)も含む-のための肖像判定を行ったりしている。

b. 提案された保護対策

リスボン市議会は、文化省のサポート、また関連するコミュニティの強い協力を得て、長期的な保護対策計画を定めた。以下に、2010年~13年における第一段階を記す:

I.  アーカイブ・ネットワーク

ファド研究関連するコレクションを保持する、博物館や所蔵を広い範囲で包含する組織化された連携ネットワークを実現し、ファド遺産の保護、研究、調査、達成のための戦略的な協力関係をめざす。

このネットワークには以下の機関が含まれる;ファド博物館、国立図書館、RTP(ポルトガル国営テレビ)とRDP(ポルトガルのラジオ局)、Museu da Música(音楽博物館)、Museu Nacional do Teatro(国立劇場博物館)、Museu Nacional de Etnologia(国立民族博物館)、Museu José Malhoa(ジョゼ・マリョーア美術館)、Museu de Arte Popular(民芸博物館)、Fundação Amália Rodrigues(アマリア・ロドリゲス博物館)、Cinemateca Portuguesa(シネマティカ・ポルトゲーザ)、Museu da Cidade(市立博物館) 以下省略。

II. ファド・レコード盤のデジタルアーカイブ

さまざまな団体に存在する、ファドの783345回転の塩化ビニール製レコード盤のコレクション(新たに購入された5000種類の78回転レコードを含む)をデジタル化し、保管し、データベースに登録しシステム化する。

III. 教育プログラム

すべての教育段階-第1学年(6歳)~第12学年(18歳)-において、ファドの分野と歴史に関する情報を、段階的横断的に統合することを目指し、それによって学術的・科学的視点と、ファドの知識とファド・コミュニティ(歌手、演奏家、作家、楽器製作者)への真の参加を組み合わせる、「教育計画」を実践する。

III.1. ファド博物館スクール: ポルトガルギター、ギターのワークショップ、ファドの詩についてのセミナー、ファドの歌唱ワークショップ。

III.2. ファド博物館ワークショップ: ファド・コミュニティ内の省察やディベートのための定期的な場を作ることをめざす講演やワークショップ。

III.3. 通訳と様々な世代のミュージシャンによる、ファド博物館歌唱ツアー。

III.4. ポルトガルギターの製作:ポルトガルギターの製作をサポートし、そのノウハウが保護され、伝わり続けることをめざす。

1. ポルトガルギター製作者であるジルベルト・グラシオとオスカー・カルドーソによって選考された訓練者に与えられる、1年間以上の奨学金

2. ファド博物館の近くにある、歴史的な地域であるアルファマに、ポルトガルギター製作場を作る。

3. ポルトガルギター製作者(guitarreiros)の職人技のために期間限定の展覧会を開催する。

III.5. 1学年~第12学年を通しての教育プランを制定する。

1. 教材の作成

2. 講師・教師の教育セミナー

3. リスボンの学校機関における教育の試験的プロジェクトを実践し、それらを地方や国内レベルに複製する。

4. 教育的な役割を活発に演じるファドのコミュニティと強く結びつきながら、ファド博物館への定期的な社会見学を促進する。

III. 6.リスボンおよび国内の、教育プログラムにファドが組み込まれている演劇学校をサポートする。

III.7. 卒業までもしくは卒業後の大学プログラムにおける、博物館での技術的科学的専門訓練

III. 8.国際ファド会議を組織し-隔年で開催-学問的な見解と、作家、翻訳者、詩人などこのジャンルの創作と普及に従事している人々の知識を結びつける

III.9. 地元の団体やクラブなどのネットワークを使ったファド・コミュニティ研修を行い、ファドという遺産を維持していくよい方法に取り組むセミナーの開催を促進する。

III.10. 様々な分野の研究者によるファドのカンファレンスを計画する。

IV. 出版

以下出版プログラムを遂行する:

1. 歴史的なデータ (ファドの歴史に関する古典作品の複製出版物-分析や目録を含む);

2. その他書籍(歴史に関する分析的なエッセイ、証言集、文献カタログ)、音楽に関する情報 (複製印刷されている楽譜集と手書きによるファドの楽譜の写本);

3. 詩に関する情報(ファド詩集);

4. 肖像画に関する情報(美術作品としてのファド肖像画集)

5. 音源情報; ファドの歴史的なレコーディング(1900-1950年)についての解説書と肖像画を掲載した充実した内容のブックレット付きのCDシリーズ,

6. ドキュメンタリー/視聴覚

V. ファド巡回ツアー

目標: リスボン市内で行う、ファドをテーマとする巡回ツアーを推進する。プロやアマチュアのファドが実演される会場も巡り、それらの会場を世に広め、新しい息吹を吹き込む。

1. カザ・ド・ファドやクラブ-ファドという遺産が若い世代に日常的に引き継がれ、昨今においても生きたファドのワークショップの場-で行われるイベントについて、全国放送で流す、もしくは/また、広報宣伝を行う。

2. テーマツアーをデジタル化または印刷して、配布・出版する。

3. 街の有名なファド会場へのガイドツアーをスケジュール化する。

VI. 広報活動・作品リリース

1. Trovas Antigas, Saudade Louca: ファドの歴史についての初めてのTV放送-ファドのジャンル別、6つのエピソードによるシリーズ(20109月放送)

2. ポルトガルの各県庁所在地における、様々な世代のアーティストによるコンサート/ワークショップ;

3. 大学、博物館、文化センター、財団、その他の場所で、詳細な文書をリリースする;

4. ファドのプロジェクトを遂行する海外の研究者の来訪を促進する。

5. カモンイス・インスティテュートの協力のもと、各国の大使館や大学の教職員ネットワークを通じてファドを世界的に広める計画を策定する。;

※以下は、ファドコミュニティ、国家、関係者の関わりについて

代表リストへの登録申請は、ファドコミュニティの活発なサポートと参加により、着想・推進された。ここで提案されている保護対策を定義し実行する際に於いて、それらの関わりを確かなものとするために、幅広い範囲のワークショップ・セミナー・会議・議論・インタビューが、ファド博物館で行われた。進行中のプロジェクトは、個人の参加者や近隣・市民団体の代表者たちが強く関わり、さまざまな情報元・個々の肖像画・重要な作品・実演などの識別作業に参加した。保護プログラムは、ファド博物館のコンサルタント委員会-コミュニティと2つの主要な団体の代表者から承認された歌手・演奏家・コレクター・研究者が寄り集まったものだが-から重要な資料を受け取ったが、ここで提案されている様々な対策に関しては、自身の知識を次世代に確実に伝えていくであろう多くの個人のアーティストたちも深くかかわっている。別表が示すように、個人のミュージシャン、作家、楽器製作者、専門団体、市民団体のサポート宣言が、登録申請と提案された保護対策計画

におけるファドコミュニティの貢献と活発な関与を証明している。

リスボン市議会とポルトガル文化省は、ファドを無形文化遺産代表リストへの登録申請に対して、大いに心血を注いできた。そしてこの数年行われているすべての以下のような保護対策が示すように、引き続きそのジャンルを広く知らしめ、保護していくことに貢献している。:

  1. リスボンが1994年に欧州文化首都に制定された際の文化プログラムにおいて、展覧会、書籍、レコードの編纂、コンサートなどを促進した。
  2. EUの財政支援(Programa Operacional da Cultura)のサポートを得たファド博物館の設立(1998)と展示エリア順路の改装(2008;
  3. 一般市民と学生を取り込んだ、地域に根付いた活動の推進;
  4. ファドコミュニティや一流のファド演奏者個人の強い協力を得ながら広い範囲にわたって
  5. 情報収集プロジェクトを遂行する調査チームに対する資金援助

目下の登録申請は、リスボン市議会、ポルトガル文化省の一致団結した、あらゆる政治の力によるサポートを受けた。また、国民議会において満場一致で可決され、ポルトガル共和国の大統領閣下の強い支援を受けた。

ファド博物館は1998年に設立されてから、取得した写真、楽譜、詩、楽器、レコード盤、職業に関する資料、書籍、ファドの雑誌、とりわけ数々の証言を体系的に目録化してきたが、そのほとんどは私人もしくはファドコミュニティの団体から寄贈されたものである。この目録には現在、18,205項目の登録がある。内訳は、書籍441冊、ファドの雑誌1396冊、写真5517枚、ポスター2123枚、ファドの詩2123、楽器317台、視聴覚記録317、職業に関する資料(契約書、職業免許書(※訳者注:ファド歌手や演奏家が免許制だった時代があった))、レコード盤2572枚、楽譜2321種類、衣装32枚、メダル・トロフィー61個、そして証言。

これらのコレクションのほとんどを寄贈している割合は、ファド歌手(51%)、演奏家(17%)、作家-作曲家・詩人(13%)、団体及びカザ・ド・ファド(13%)、収集家(6%)である。.2005年から、ファドの保護、研究、調査、遺産登録の実現のため、戦略的に協力関係を結ぶことをめざして、広範囲にわたっての公立と民間の博物館・美術館の所蔵品とファドの研究に関するコレクションを持つ資料館の膨大な目録にも手を伸ばした。ファドのレコード盤データベースは、まだ構築中であるが、その一部はすでに公開されアクセスできる。URLは、

http://www.fcsh.unl.pt/inet/basesdedados/fonogramas/pagina.html, 

現在15000以上のエントリーがある。これらの目録は、すでに必要な国の法律をすべて公布しているポルトガル文化省が動けばすぐに、何時なんどきでも、将来のポルトガル無形文化遺産の国家目録に移行される準備は出来ている。 文化省は、国家目録を遂行し承認する責任を持つ機関としての性質上、目下の登録申請について、公式な関与と指示を表明している。

無形文化遺産代表リストへのファドの登録申請は、ファドが実演されているコミュニティの活発な支援と参加によってなされた。提案された保護計画の準備は、広範囲にわたる公開ワークショップ、会議、議論、インタビューを通して、また個人の有名な一流演奏家たちの貢献を通して、コミュニティが活発に参加することによって遂行された。2005年から進められている調査には、分野に属する人々(演奏家、作家、コミュニティのリーダー)から集めた口頭証言の収集、関連する保存データの識別と目録化、歴史的データの批評解釈、収集したすべてのデータを網羅したデータベースの作成等が含まれている。

調査チームには、年配の教授や大学院生だけでなく、ファドコミュニティそのものに集まった演奏者や作家も含まれた。さまざまな、戦略的協力協定が、ファドの研究に関連するコレクションを所有する公的機関・私人の間で結ばれた。最も代表的なこの分野の専門団体も含まれている。

登録申請は最終的に、有名な専門家たち(ルイ・ヴィエイラ・ネリ-議長、Salwa El-Shawan Castelo-Branco INET、サラ・ペレイラ-ファド博物館)が所属する科学評議会が、一流のファド従事者たち(カルロス・ド・カルモ、ヴィンセント・ダ・カマラ、ジルベルト・グラシオ、ダニエウ・ゴウヴェイラ、アントニオ・シャイーニョ、ルイーザ・アマーロ)がメンバーに名を連ねるコンサルティング委員会、もしくは市民団体の代表者たち(ポルトガルギター・ファド研究会からルイス・ペネード、ファド愛好会からルイス・デ・カストロとジュリエッタ・エストレーラ)の熱心な参与を得て行った。


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